高校最初に失敗

あまり長々と自分の半生を書き起こしていると肝心の医学部・司法試験受験のことが書けなくなり、焦点がぼけてしまう。

しかし、これらの受験に至った理由を書くのに、どうしてもこれまでの紆余曲折を書かないと片手落ちになる。

このため、ポイントとなることを中心に、もう少し書き進めていきたい。

 

とにかく私は高校に入った。

何の変哲もない田舎の公立高校である。

東大など、何年に一度かしか行かないような学校だった。

山が迫り、自宅からはバスを乗り継いでずいぶん時間をかけて通わねばならなかった。

高校に私の知り合いはほとんどいなかった。

むしろ周辺の中学校から来ている者の方が多かった。

 

入学後、すぐに実力テストがあった。

私は中学校の頃を思い出した。阿呆だと思われていた私がいい成績を取って、先生や皆の度肝を抜いたのである。ひそかにほくそ笑んだ。

 

ただ、その実力テストは違った。

事前に教材が渡され、その中から出題されたのである。

問題を解きながら、ああ、もっとまじめに勉強すればよかったと思った。

テストの成績は各教室に張り出された。

しかし、私はひどく低い順位だった。

なまじ名前が載るので、だれが優秀な生徒かすぐわかってしまう。

成績の優秀な者たちは鼻高々だった。

特に、一位はぶっちぎりで、ある女の子だった。皆はその子のことを天才と呼んだ。

私はそれが羨ましかった。

 

しかし、私は、こんな出題範囲の決まっているものなど、意味ないとして反発した。

そして、自分はこんな、先生からのお仕着せの勉強はしないぞと決意した。

つまり、学校自体の勉強に反発したのである。

今から思うに、それこそ、私に独学の楽しみとそれをやり抜く力を与えてもらえたものだと確信するが、一方で、ずいぶん効率の悪いやり方をしたものだと思う。

 

とにかく自分の使う教材を1つに絞ろうと思った。最初が肝心である。

そして、私が見つけたもの。

それは教育社が出している「トレーニングペーパー」なるものだった。

一か月に20日分くらいの教材で、1回あたり時間かかった。

しかし、何度も繰り返して基礎の勉強をさせてくれるとともに、応用問題までできる。

私は、これしかないと思い、英数国すべて、これを購入した。

そして、これを中心に勉強したのである。授業は度外視して。

するとどうなったか。