君はそんなに勉強ができないくせに

私は、高校に入ったら中学校のように部活をやらず、勉強に専念しようとした。

家に帰ってからの勉強時間の3時間を、トレーニングペーパーと、学校の宿題に充てた。

結構集中してやった。だがそれ以外はのんびりと本を読んだりした。

だがそうすると、宿題まで手が回らず、やっていかないで先生に怒られた。

 

さて、私の行っていた高校は、繰り返し言うが田舎の学校である。

塾など行くものは皆無であり(そもそもなかった)、先生が絶対であり、授業が絶対だった。

だから、皆、授業をある程度真剣に聞き、宿題もまあまあやった。

宿題をやってこないとこっぴどく怒られ、先生によっては立たされたりもした。

 

そんなとき、クラスの生徒がこんなことを言った。

「勉強ばかりじゃ殺伐としているので、帰る前に歌を歌ったらどうか。」

皆はそれに賛成するような雰囲気だった。

当然だろう。歌を歌う、というのは何かよいことをするような雰囲気があるからだ。

だが私はそんな皆の、付和雷同的に賛成する雰囲気が少し嫌だった。

流されすぎてはないか。

そしてこう発言した。

「クラスの融和を図るというのはいいかもしれないが、放課後は貴重な時間であり、部活をやったり、勉強をしたりする者もいる。歌が好きじゃない者もいる。全員でやるというのはどうか。」と。

皆、これに対して、いっせいに反発した。

次々私の意見を否定した。クラス皆の団結こそ重要ではないか。

当たり前である。そして私は皆に目の敵のようにされかかった。

 

あとで担任に呼ばれた。

「○○君。意見を言うのはいいが、あまり偉そうに言うな。君はそんなに勉強ができるわけではないくせに。」

 

その言葉は、私の闘志に火をつけた。

よし、やったるで。見返してやる。