こりゃ本当に東大に受かるかも

私は当時、進路についてあまり真剣に考えていなかった。

それから、大学を卒業してどんな職業につきたいかも、私の頭の中にはなかった。

つまり、先のことは何も考えていなかったのである。

 

そして大学については、私が住んでいたのは西日本であり、東大といってもあまりピンとは来なかった。

ただ、東大は日本一頭のよい奴らが行く学校だと思い、入れたらカッコいいなあ、という気持ちが漠然とあった。

東大に入って、さらに一生懸命勉強して、ノーベル賞くらい取れないか。

そう思うと、夢が膨らんできた。

もしかしたら、受ければ受かるかもしれない。

よし、やったるぜ。と、がぜんやる気が出てきた。

 

ただ、そういう気持ちは持ったが、部活の時間や睡眠時間を削ってまで勉強時間を延ばすわけにはいかず、結局、トレーニングペーパーを中心に、一日3時間半ほどの勉強まじめに続けただけだった。

でもそれでも十分で、私は常に上位をキープし続けた。

こりゃ、本当に東大に受かるかもしれない、そう思えるようになってきた。

 

しかし、そうしているうちに、2年生の体育祭が近づいてきた。