破たんをきたす

そのような意固地な私の姿勢が、とうとう破綻をきたしだした。

 

勉強さえできれば、生活態度は悪くったっていい、という姿勢である。

確かに他の生徒からは表面上、一目置かれていた。

いつも試験でトップをとる人、というレッテルが貼られた。

でも、それだけである。

あれだけだらしなく、態度が悪いと人間としては失格だな、という評価が後についた。

 

私はそんな評価を受けると、ますますムキになった。

ちくしょう、お前らは勉強もできないくせに、格好つけているんじゃねえ。

結果で勝負して見ろよ、という気持ち。

ただ一方で、自分が皆からいわゆる優等生に見られていることがわかり、

それなりに表面を繕って優等生っぽくふるまうことも覚えだした。

自分の心の底の気持ちとは裏腹に、皆で協力してやっていこうという態度を示そうとした。

本当は皆と仲良くしたり、他人のことを思いやったりなど、爪の先ほども思っていなかったのに・・・・。

 

そんなある日、道徳の時間。

授業中に意見を求められ、格好いいことを話してやろうと思った。

「・・・やはり、皆で一丸となって、協力してやっていくことが・・・・」

優等生っぽく、すごく立派なことを話しているという自己陶酔に陥っていた。

ところが、話していて、その先が急にでなくなった。

なぜか、ものすごい緊張したのである。

自分が、自分でないように思えた。

私の会話は途中で途切れ、そのままガタガタ震えながら座った。