敵を知り己を知れば百戦危うからず
孫子の名言に「敵を知り己を知れば百戦危うからず」というのがある。
正確にはこうだ。
「彼を知り己を知れば百戦殆からず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し」つまり、
①敵と味方の実情を熟知していれば、百回戦っても負けることはない。
②敵情を知らないで味方のことだけを知っているのでは、勝ったり負けたりして勝負がつかない。
③敵のことも味方のことも知らなければ必ず負ける。
私は勉強は今年の4月から始めたのだが、意識するようになったのはその1月前の3月だった。
その時点では、医学部入試のことも、また司法試験のこともほとんど知らなかった。
特に、司法試験に至っては、どのような科目があるのかも知らず、予備試験の存在すら知らなかった。
さらに、自分の実力も知らなかった。まあ言ってみれば上記の③の状態だった。これでは必ず負ける。つまり試験に落ちる。
以前書いたように、大学入試では、かつて東大理Ⅲに2回続けてA判定を取ったことがあった。だがそれは30年以上も前の話である。
ただ、就職後も勉強している英語と、センター試験の国語だけは何とかなるかもしれない。
そう思って、センター試験の過去問をブックオフで買ってきて、挑戦してみた。
すると・・・・げげえっ。
まるで歯が立たない。
物理、化学・・・・全く覚えておらず。ほとんど零点に近い。
数学(1A、2B)・・・・各設問の最初の小問ができるかできないかくらい。ほとんど零点に近い。しかも時間が全く足りず。
社会・・・・高校では日本史と世界史で受けたが、ちょっと見ても紛らわしい選択肢が多く、見ただけで回答をあきらめた。
国語・・・・現国は、まあまあ問題文は読めたが、紛らわしい選択肢が多く、全部の回答が不安だった。しかも古文、漢文は全くできず。
英語・・・・唯一、最後まで回答できた。だがリスニングは全くダメ。留学経験もあるのに情けない。耳が遠くなったか??
というわけで、おそらくいいところ3、4割しかとれていなかったのではないか。
これじゃあ、医学部はおろか、普通の学科ですら合格は危うい。
ましてや各大学での二次試験はもっと難しい。絶対に太刀打ちできない。
また、司法試験の予備試験の過去問もブックオフで立ち読みした。
行政経験があるので、少しは土地勘もあるかなあと思っていた。
だが、そんな甘いものではなかった。ちんぷんかんぷん。問題そのものが、何を言っているのか分からなかった。
こんな状態である。
・・・・医学部と司法試験との同時受検を口にするのも、ちゃんちゃらおかしかった。
しかし、私はなぜか、そんな状況に喜びを感じた。昔の感覚が戻ってきたような気がしたのだ。
他人から馬鹿にされ、ハードルが高ければ高いほどやる気を出すことができた、若い頃の自分を思い出した。
だが、とにかくこれは、今までにないほど高い壁であるのに間違いはない。
このため、1か月ほどかけて、今後の戦略を慎重に練ることにしたのだ。