人生で最も頭がよかった時期

考えてみると、中学3年生の、あの対人恐怖から脱出した時期、それこそ私の人生において、もっとも頭がよかった時期だったのではなかろうか。

やることが楽しくて仕方なかった。先生の話は1を聞いて10まではいないが3か4くらい理解できた。

理科の教科書を読んで、実験の裏にある原理を自分で推定して導くことができた。

それを教室で披露すると、先生は、「お前は答えを知っていたのだろう。」と皮肉っぽく言ったが、私は本当にそれを素から導いたのである。

社会の教科書は、1回読んだだけでほとんど覚えることができた。

そして国語。いつも先生と議論し、隅から隅まで理解できた。

勉強が面白くて面白くて仕方なかった。

 

そんな時、定期試験があり、英数国理社全部で500満点のうち、私は合計491点をとった。今でもその得点は正確に覚えている。

もちろん、ぶっちぎりで1番だった。2位とは30点以上点差が開いた。

 

そして、その頃、地区であった実力テストでも、私は同地区の中学生2000人中1番を取った。

こんなことは初めてであり、私は驚喜した。両親に喜んでもらえるのがうれしかった。

・・・・こうして書くと、自慢話に聞こえるかもしれないが、私はその当時、まさに最盛期を迎えていたのである。

学校に行くのが楽しく、また本を読むのも楽しかった。

 

大いなる挫折というのは人生において必要なことなのかもしれない。

それを克服すれば、その喜びのエネルギーは強力な力を与えてくれる。

まるで圧縮されて縮んだバネが、縮めば縮むほど強い力で押し返すように。

 

ただ、あまり力を爆発させすぎると、また反動が来る。