やっぱり老化には抗えないか・・・・

とにかく、法律や地理という、私にとっての新しい科目が全然覚えられなかった。

やっている時はある程度、理解したつもりなのである。

だが、翌日になると、前の日に覚えたことをころりと忘れているのである。

自分はどこまでやったのかさえも思い出さない。

ラインマーカーを引いた跡が残っているからまだしも、それがなければ同じところをやり直しかねない。

アルツハイマーか・・・・

 

第一周目はざあっと読むだけでいい。次のクールでもう少しじっくり読み、理解を上げていこう。私は当初、そう考えていた。

だが、これだと、全部読み切ったとしても、やってないのと同じ。脳みそはつるつるてんだ。全く意味がなくなってしまう・・・・。

 

若かった頃を思い出した。記憶力のよかった十代の頃を。

一回読んだ内容は、ほとんど覚えることができた。社会など教科書を丸暗記できていた。

頭がすっきりしていて、習ったことはスポンジのように吸収できた。

 

だが、今はどうか。全く覚えられない。すぐ頭がヒートアップするか、ぼうっとしてしまう。

やはり、老化には抗えない。老人は圧倒的に不利なのだ・・・・。

私は年を取っても、心と頭だけは若いつもりでいた。だがそれは幻想にすぎなかった。

 

しかし・・・・そういえば、司法試験対策の無料入門講座で吉野勲先生が言っていた。

「何回も司法試験に失敗している人に共通の特徴がある。それは、その時習っていることは理解しても、少し前に習ったことを忘れていることだ。皆、覚えた端から忘れていくものだ。だから、必ず半分は復習にあてろ。」

 

そうか。そうなんだ。

私だけではないのだ。人間というのは忘れる生き物なのだ。

そして、知識が増えれば増えるほど、前に学んだこととの関係でごちゃごちゃになり、混乱して、何もかも分からなくなってしまうのだ。

だからこそ、ちゃんと復習しなければならない・・・・。

 

私は考えた。よし、方針を変えよう。

そして、私が取った方法は・・・・。