私が高齢で医学部を目指す理由(高齢者の星になりたい)

医学部を目指す理由のひとつは、高齢者でも医師として働けるということを示し、高齢者の星になりたいということである。

高齢者は、退職後に再雇用で働くと給料がガクンと落ちる。たとえ能力やスキルが若い現役世代を上回っていても。

そして、そんな高齢者が働く場所は、駐車場整備、守衛、庭の剪定等、単純なものに限られる。

元気で体力もあり、まだまだ働けるというお年寄りは多い(私を含めて)。健康平均寿命はぐんぐん延びている。

そんな人たちにとって、この年で医学部に通った者がいることを知れば、おっ、まだまだ自分も働けるという気持ちを持て、励まされると思う。

今回の東京医大の不正問題で、男女差別は問題になり、大学は対面上、男と女の受験生で得点差をつけることはしにくくなった。

一方で、高齢者は相変わらず厳しい。東京医大では現役と1浪・2浪は+20点、3浪は+10点、4浪以上は0点としていた。ただこれについては大きく騒がれることはなかったし、他の大学でも多かれ少なかれ似たような制度を取っているだろう。

かつて群馬大学医学部を五十何歳かの女性が受験し、不合格になった。筆記試験では平均を上回っていたものの、面接その他で大きく点を減らされたのだろう。だが裁判では証拠不十分ということで女性は敗訴した。

まあ、一般的に考えると、多浪して合格してても、入学後に能力的についていけない者が多いのは確かだ。

また、高齢で合格し、無事に医師の国家試験に通っても、卒業後に働ける期間は若手と比べすごく短くなる。特に国立大学の場合、国民の税金で運用されている以上、そのような高齢者を同等に扱うのは国民のためにならず、非合理である。

ただ、高齢者にもいろいろある。元気で70になっても80になっても働き続けるものも多い。自分はそれだと思っている。

そういうことを含め、私は、高齢者の可能性を示し、広げていきたいと思うのだ。