見返してやりたい
ううむ。書いているうちに、だんだん自分の不純な動機がわかってきた。
そうだ。私はいつも、誰かを見返してやりたいと思っているのだ。
相手は誰だろう。
会社の人たちか、家族や親戚か、高校や大学の友だちか。
う~ん。確かにそんな面もある。
会社では、こんな窓際のおっさんを相手にするものは誰もいない。
家族も、また私が変わったことを始めたくらいにしか思っておらず、
ましてや医学部か司法試験のどちらかに受かるなどとは到底思っていないだろう。
もう高校や大学の友だちとはすっかり疎遠になってしまった。
でもおそらく、それに加えて、何か世間を見返してやりたいという気持ちもあるのだ。
朝晩、通勤で電車に乗る。ぎゅうぎゅう詰めだ。
何とか席を確保しようとするがなかなか座れない。
仕事場に着くまでにへとへとになる。通勤時間約1時間半。
ああ、都会の高層マンションに住み、楽に仕事ができる身分になりたい。
でも、そんなことは頭も悪く、出世もしなかったおっさんには許されない。
うだつの上がらぬ、さえないおっさんだと周りの乗客には思われているだろう。
若い女の子などには、加齢臭で露骨に嫌な顔をされているのだろう。
怖くて顔を直接見れないのだが。
まあ、そんなおっさんが、あるとき「変身」する。
そんなことを夢見ているのだ。
最近、「いぬやしき」というマンガを読んだ。
ものすごくさえないおっさん(老人)が、ある日宇宙人に体を作り替えられ、
すごいヒーローになるという話だ。
映画化もされ、とんねるずの木梨が主演している。
ああ・・・・あんなヒーローになりたい。
そんな欲求が、なぜかトチくるって、受験というものにつながった。
まさに気が狂っているとしか思えない。だが私は半分以上本気なのだ。